カタチのないセカイの為に
『何で?』


『何で、笑っているの?』


優潤は、口に手を当てて、声を出さずに、
大笑い…。

大笑いの格好をしてる…。



美咲が顔を上げたのが分ると、
優潤は、声を出して笑った。

「ハハハハ。
違うよ。怒られると思ったの?ハハハ…」



美咲は、呆気に取られた。


なんか…。拍子抜けした感じだ。


すると、今度は、
急に真剣な表情に変わった。


「いゃ。怒ってるよ。気付いたら、いないし。
庭の辺り意外は、暗いし。。。。」


「ごめんなさい。」
美咲も、真剣に謝る。


「でも、良かった。
見つかったから、良かったよ。」


優潤の顔は、笑顔に変わった。

「ここ、一応、工事中だからね。
穴にでも、落ちていたら大変だったよ。」


微笑みながら、懐中電灯で照らした先には、

地下室でも掘るのだろうか?と思うくらい、
大きな穴が掘られていた。



美咲、ギョッとした。


美咲の身長の6倍。
いや、7倍か8倍はある深さの穴だった。


ここに落ちていたら、クレーンでも使わないと、助けられないんじゃないかという位の巨大な穴。

落ちたのが、あの石積みで、まだマシだった。


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