カタチのないセカイの為に
でも、こんな巨大な大穴が有ったなんて、
しかも、膝より少し高いだけの

『交通安全』と書かれた黒とオレンジ色のプレートしか置いてない。
凄く、心配してくれたのだろう。



美咲は、心から言った。

「本当に、ごめんなさい。。。」


優潤は、困ったように言う。
「もぅ、謝らないで。
ここで花火する計画したのは、こっちだし。
怒っている訳じゃないから。」

顔を上げると、
優潤は、頬を引きつりながら笑っていた。



「美咲。」

呼び掛けられた自分の名前。

やっぱり怒ってる…。。。そぅ思いながら、
複雑な気持ちの美咲は、
優潤の顔を見上げた。



表情は、和やかに見える。

不思議な緊張感が、美咲を襲った。





優潤の心の中もまた、違う事で複雑だった。

さっきから、言おう言おうとしている言葉。


好きだって伝えたいのに、なかなか言えない。

振られるって解ってる。

美咲に、恋愛感情が無いのは、
一緒に居れば解る。


でも、何とか認識してもらう為に、
言おうと思っていた事。


今、言わないと。

言わないと…。


でも…。


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