カタチのないセカイの為に
気が利いた…。

気が利いた…。

何か、言葉を……。




言葉を捜している間に、


美咲は、
「はい。」
と相槌の様な返事をした。






実際、美咲は困っていた。

『好きです。』って言われて、
頭の中が真っ白になったが
直ぐに状況を理解する事が出来た。

でも、『好きです』の後に

言葉が続いていない…。


この場合、
なんて返していいのか解らない…。


美咲の頭の中には、
夜、泣き疲れて優潤の腕の中で
目覚めた事がグルグルしていたから。


頭の中で、凄く気になっていた。

『好き』という感情があった。




だから…。

『はい。』と言った。




でも、『私も好き。』なんて、

コッパズカシクテ言えないし……。

元々、そんなキャラじゃない。


『付き合って下さい。』
と言われたら、
返事は簡単なんだけど…。

そんな事を考えていた。





でも、美咲の返事を、
優潤は誤解をされているようだ。



何故なら、

美咲が『はい。』と言った後、優潤は、

「振られるって、分ってたから。」
と続けて言った。




そして彼の顔は、
寂しそうな微笑に包まれていた。

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