カタチのないセカイの為に

美咲の言った返事は
美咲なりの大切な返事だった。

『はい。』と応えた言葉に、

込められていた気持ちは、


大きかった…。



美咲は、『ふぅ。』と軽く溜息をついた。


そして、誤解している優潤から、
視線を逸らすように呟いた。



「そうゆう意味じゃないんだけど…。」



美咲の呟いた声は、
しっかりと優潤に聴こえていた。


しかし、
『今回は恋愛対象として意識をさせたい。』という種まきに過ぎない。



欲を出しちゃダメだ。
振られるのは、分かっていたんだから。

そんな事を考えていた。




完全に、誤解している優潤は、
吹っ切るように
意地悪そうな、ニヤリ笑いをしながら言う。



「じゃぁ。付き合ってくれる?」



振られても、友達でいたいから、
『ごめんなさい』と言われても流せる様に。


軽く流せる様に…。

軽いノリで聴こえるように、言った。



流せる様に……




すると、美咲は照れながら、
でも、優潤の眼を観て応えた。

「はい!」
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