カタチのないセカイの為に
健吾とも、話が出来るようになった。

自分のセカイが
少しだけ広がったのが分かる。


優潤とは違う感じだけど…。

確かに、今ここにあるセカイ。




でも、優潤は別格。

不思議な感じ。


心を、こんなにも許してしまう男の人が居るなんて、凄く不思議な気分だった。


この人と、一緒に居たいって、本気で思う。



今、繋がれている手は、
『ウレシイ』でいっぱいになっている。








優潤と手を繋いで、辿り着いた場所は、
理子達が待っている庭では無く、

別荘の玄関の前だった。


美咲は、理子達のいる所に向かっているのだと思っていた。

「何処行くの?」


優潤は、キョトンとした美咲見た。
そして、別荘を指差した。

「ここの中。 傷、そのままじゃ駄目でしょ。」


優潤は、繋がれた手を、
惜しむかのように一度『ギュッ』と握ると、
手を放した。



そして、ポケットから何個か鍵の付いた
キーホルダーを出す。


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