カタチのないセカイの為に
ご飯は、厨房から見え難く、混雑時意外は、出来るだけお客さんに座らせない席で食べる事になっている。

美咲は、テーブルに着いて『あれ?』と思った。

「賄いが四つ…?いつもは、3つなのに…。」

いつもは、美咲と理子と忠君で食べている。
因みに、毎日忠君が注文しているので、賄ではない…。


美咲と理子が向かい合って席に着くと、
さっきまで美咲と話をしていた
『二人の男の人』も、同じテーブルに座った。
そして、彼らは声を合わせて

「いっただっきまぁぁぁす!!」
と言い出して、食べ始めだした。

美咲は叫んだ。
「何で、アンタ達が…
ここで、ご飯食べてるのよぉ!!」

あー。やっぱり怒り出しちゃった…。
美咲は理子が思っていた通りの反応をした。

理子の隣に座っている人が応えた。
「だから、紅野理子さんの友達だって、言ったじゃん。」
美咲は、理子の方を向いたが、彼女はいつもと変わらない表情で、何も言わずにご飯を食べていた。
美咲は少し困った顔を浮かべたが…

やっぱり、口は怒っていた!

「はぁぁぁぁぁぁ?
ふざけんじゃないわよ!
だからって、ここで賄い食べていいわけ!?」
「良いわけ。」
あっさりと答えられてしまった。
普通の人なら、更に喧嘩になる口調なのだが…。

チョットだけ美咲の時が止まった…

美咲以外の三人は、モクモクとご飯を食べている。

< 17 / 248 >

この作品をシェア

pagetop