カタチのないセカイの為に
「表札…。
優潤、ここに昔住んでたの?」



美咲の問いに、優潤の動きが一瞬止まったかと思うと、また、鍵と鍵穴を合わせる。




「うん。もう10年ぐらい前の話だけどね。」


何事も無かったかのように、話す。

美咲は、カッコイイおじ様を思い出した。

「えー!! じゃぁ。

この間、理子の別荘に来ていたおじ様って、

優潤のお父様とかなの?」



優潤は、笑いながら言った。


「違う。違う。高科(タカシナ)は、

俺と一緒に住んでる人だよ。」


美咲は、この間のおじ様の名前は、

高科さんって言うのだと、

頭の中にインプットした。






聞きたい事が、まだ有ったけど、優潤が、


「開いたよ。入って。」

と言ったから、



聞くのは止めて、
扉の中へ入った。


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