カタチのないセカイの為に
※ 2節 ※
理子と、健吾と、忠君は……。
花火の袋を開けて
優潤と美咲が戻ってくるのを待っていた。
「二人とも遅いわね。」
「まさか、今、
告白中だったりするかもな!」
理子と健吾は、顔を見合わせた。
理子が、思い出したように言う。
「でも、優潤、
花火が終わったら告白するって、
張り切っていたわよ。
優潤は、計画的な人でしょう。」
健吾が眼を見開いた。
「アイツは、計画的だが、
チャンスを逃さない男だ!!」
理子は、微笑すると、
「確かに…。」
と、納得するように告げた。
「ねぇ。健吾?
どうなると思う?あの二人…。」
健吾は、眉間を寄せて1秒だけ考えて
応えた。
「考える必要も無いな。無理だろう。
昨日も、喧嘩っぽくなってたし。」
「そうよね。」
理子は、
別荘と庭を繋ぐ広い階段に座る。