カタチのないセカイの為に
美咲が、眼を開ける。


健吾の、普段の声より大きな声で、
部屋に流れていた空気が変わる。


窓の方から、健吾が部屋に入ってくる。

「はい。はい。はい。
そこまでな。」


美咲は、何か恥ずかしくて、顔を赤くして
下を向いた。




理子は、窓の前でサンダルを脱ぐと、
美咲へ向かって、少しの距離を走った。

「美咲ぁー!!」




理子に抱きしめられた。

「ん?」

何故か、抱きついてくる理子に、
どうしていいのか、分からない。

「美咲。優潤の事、好きになってたのね。
良かった。良かった。」


凄く、喜んでくれる理子に、
『ありがとう。』と感謝した。


チラッと、優潤を見ると、
眼が合った。

優潤は、優しく微笑んでいる。



健吾が、言った。
「お前ら、仲良くアイコンタクト取ってないで、
花火、するぞ!!」



抱きついていた理子が、

優潤と美咲の顔を、何度も何度も観ていた。


優潤は、立ち上がると、

「よーし、花火だ!!」
嬉しそうに言った。




私達は、花火をしに外へでた。
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