カタチのないセカイの為に
花火。

それは、数日前と変わらない行動なのに、
なんか、嬉しくて、楽しかった。



優潤が、火を点けたばかりの花火を
渡してくれる。

数日前は、何も思わなかったのに、
今は、何か、ドキドキして、嬉しい。


数日前には、
なかった感情が、

今は確かにここにある。



優潤を見ながら思う。

いつの間にか、優潤の事を好きになっていた事。




気付いたのは、今朝……。

でも、好きな人が出来ると、
世界が変わるんだなぁ。


前と同じ事をしていても、

全然違う角度のセカイに変わっている。


楽しいと嬉しいが、

どんどん大きくなるのが解る。




理子の別荘に来て、良かった。



彼に会えて良かった。



『海の家』でバイトをして良かった。


皆と一緒に生活出来て良かった。




色んな物に、感謝したくなった。


だから…

花火を持っている肩を、グルグルと回して、大きな声で、言った。


「ありがとー!!」



みんな、笑っていた。


< 180 / 248 >

この作品をシェア

pagetop