カタチのないセカイの為に
食材が、一通り揃ったところで、
レジに並んだ。
理子が、レジの前である事に気付いた。
「カレーのルー買わないとじゃない?」
「あ。忘れてた。
私、持ってくるから、並んでて。」
メインを買い忘れるなんて…。
買い物に行かない事が、バレバレである。
まだ、ご飯の準備には早いけど、
帰ってから、直ぐに、カレーを作る事になった。
キッチンは、二人でまな板を使うには
狭いので、リビングで食材を切る事になった。
理子は、ジャガイモ担当。
美咲は、ニンジン担当。
ニンジンを切ろうとした時だった。
「痛ッ!!」
食材を切る時に、
食材を押さえる左手…。
石積みから落っこちた時の怪我が痛くて、
上手く力を入れられない…。
仕方ないので、
ニンジンが、動く前に切る手段に出た。
右手に握った包丁を真上から、
勇ましく振り下ろす。
まさに、格闘である。
『ダン。ダン。ダン。ダン。』
まな板に当たる包丁の音が、
勇ましさをUPさせてくれる…。