カタチのないセカイの為に

理子は、自分が料理は不得意である事を
知っている。

でも、怪我をしている美咲の為に、
必死で頑張っていたのだ。


理子は、ホッとした様に言う。

「じゃぁ。料理得意な優潤に電話しましょう。」


美咲は、顔が赤くなりながら、

料理得意なんだとインプットした。


「じゃ、健吾も一緒に。」
美咲が言うと、理子も赤くなった。




しばらくすると、健吾が来た。

「カレーかぁ?俺、中学のキャンプで
作った事あるから、出来るんじゃねぇか?

まぁ。正直おぼ…」

そう言いながら、リビングに入る。

「覚えていれば、出来る!!」

健吾は、複雑な気分だった。

『正直、覚えてない』


なんて、言えなかった。




ザクギリのニンジンと、
妙な形のジャガイモが転がっている。

健吾は
『この2人に料理はさせられねぇ』と思った。





健吾が、ジャガイモの分厚い皮も、
丁寧に剥いていく。

それを、見物していた美咲と理子は、

「手伝う事ない?」
と聞いたけど、

「大丈夫だから、座ってな。」
と言うしかなかった。



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