カタチのないセカイの為に
母の声は、受話器が遠くに行っても、
何を言っているか聞き取れないが、

怒っている声だけは、
聞き取れる…。

優潤は、丁寧に話している。

「はい。藍泉学院が一緒で…。」


名前を伝えてしまったので、
美咲は電話を取り返すのは諦めた。

正直、もうどうにでもなれ!!
って感じだ。


優潤は、美咲から、
逃げるように部屋の隅へ歩き出した。。

「穂坂優潤です。」


ご丁寧に、フルネームを伝えてるよ…。

優潤は、部屋の隅でコソコソ話をしている。



何、言われているんだろう。

凄く、凄く、気になった。


だから、優潤に近寄った。

「はい。ありがとうございます。
じゃぁ替わりますね。」

でも丁度、話が終わった所だった。



『はい。』言われながら、
優潤が電話を渡してくる。




私は彼が困った顔をしているのかと思っていたが、彼の顔は、至っていつもと変わらない優しい顔だった。


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