カタチのないセカイの為に
それは、和室で話をしていた時だった。
健吾が、言った。
「今年の夏は、楽しかったなぁ。」
しみじみと言う健吾の言葉に、
美咲は、もう直ぐ、
この生活が終わってしまう事に気付いく。
美咲は、カレンダーを見た。
お母さんが帰って来る日まで、
後、2日…。
明後日には帰って来る。
お母さんが帰ってきたら、この生活は終わる。
何か楽しかった思い出を形に、
残しておきたいなぁ…。
すると、優潤が言い出した。
「記念に、プリクラ取りに行こうよ。」
女の子みたいな事を言う優潤は、
私の気持ちにが聞こえているのかなぁ。と
思っちゃう位の、絶妙なタイミング。
でも、優潤も、理子も、健吾も、
同じ事思っているのかも知れない。
四人とも、同じ事を感じていたら、
凄く、幸せなだなぁ。
美咲と理子は、顔を見合わせ、
「準備してくる!」
と、同時に言った。