カタチのないセカイの為に
マスカラ!!!!
いつもの二人は、マスカラを塗らない。
夏は、汗でパンダ目になってしまうかも知れないし、落とすのもメンドイ。
でも、今日は、二人ともマスカラを塗る。
瞳が大きく見えるように。
プリクラ写りは、良い方がイイ!!
しかも、彼氏と一緒に
プリクラを取るのだから。
尚更、良いショットを残したい!!
健吾が、天井を見上げた。
「おせーなー。」
二階にいる美咲と理子を待ちながら言う。
「女の子って、準備は遅いもんだろ。」
優潤が、助け舟を出すつもりで言った。
健吾は、視線を優潤に動かして、
ニヤリと笑う。
「お前は、女の子に詳しいなぁ。」
意味有りげな言葉。
優潤は、俯いて呟く。
「だって…。 もう会えないと思ったんだもん。」
健吾は、優潤の頭をグシャグシャにした。
「悪い。悪い。」
健吾は、
本気で落ち込んでいる優潤に
少し驚いた。
基本的に、プラス思考の優潤が、
落ち込むなんて、余り人には見せないからだ。
いつも、次の手、次の手と
先を考えている奴なのに。