カタチのないセカイの為に

※ 3節 ※

プリクラを取る為に、
ゲームセンターに向かう道のりは、
夏休みだからか同い年くらいの人が多い。


ゲーセンの中に入ると、
暇そうにゲームをする人達を横目に、
プリクラコーナーへ向かう。



プリクラコーナーは、
女の子のグループが何組か居るだけだった。


「俺、プリクラ、初めて。」



優潤が、独り言のように言う。

美咲と理子は驚いた。

プリクラの有る時代の
この世代に生まれた人で、
プリクラを取った事が無いなんて…

小学生でも、取ってるのに…。



健吾は、驚きはしなかった。

『優潤は、証拠を出来るだけ残さない奴。』

だって事を知っていたから…。

しかも、
男だけでプリクラコーナーは、
余り行かない。

いや。俺は、行くけど…
優潤は、行かないな。




「美咲。 二人のも、取ろうね。」
浮かれながら、優潤が言う。




美咲も、この時は完璧に浮かれていた。




『二人で、初めてのプリクラを取るなんて、
感動的じゃん!!』


美咲は、喜びで溢れた顔で、応えた。



「うん!!!!」
< 208 / 248 >

この作品をシェア

pagetop