カタチのないセカイの為に
──帰り道──
理子は、美咲に素直に話した。
「来るって言ったら、
絶対に嫌がると思ったのよ。」
美咲は、『一緒にご飯を食べる約束』なんて、確実に嫌がってたよ。ってか、追い出してたよ!と思った。
「まぁ。いつ来るのか分からなかったし…。
一緒に食べられるのかも、直前まで分からないじゃない。
気になっちゃって仕方なかったのよ。」
美咲は、思い出した。
だから、生ビールの一杯目だしちゃったんだ。
美咲の話は更に続く…
「それに…
海の家のバイトを提案したのは、優潤だから…。でも、店長の連絡先を知らなかったから、事実上、紹介してくれたのは、家の管理人夫婦よ。」
美咲は『え?』という顔をしなが、質問した。
「なんで、彼が提案なんてするの?」
理子は、ただ微笑んで応えなかった。
美咲は、理子の顔を見ると、
はぐらかされたような気分になった。
美咲は、首を傾げた。
彼らは、本当は何しに来たのだろう?
特に海へ来たという様子も無いし…。
う~ん。。。。
どんなに考えても、全くわからなかった。
その時、待ちきれずに、
荷物をまとめる一人の青年がいた。