カタチのないセカイの為に

中に入ると、二人だけの空間に、
優潤は、ドキドキした。


初めて入った場所だったから、
何をしていいのか、分からなかったから

余計にドキドキしたのかも知れない。




画面の前で、操作をする美咲。

「フレーム、どれがいい?」

優潤が、画面に近寄る。


美咲の真後ろに立って、画面を見た。




画面を見ても、フレームと言われても、
何をしているのか、良く分からない。


だから、必死でプリクラの画面と
美咲の言っている事の理解をしようとした。


じっと画面を見る。




結構簡単な事だった。

フレームってプリクラの枠の事か。

「美咲の好きなの選んで。」



そう言うと、美咲の動きが止まった。



画面を理解するのに、夢中になってたから、


美咲のこめかみの上に頬を置いていた事も

耳元で囁いている事にも



美咲が、
俺を意識してると感じるまで

気付かなかった。






美咲が、意識していると感じると

急に、ドキドキ度が増した。


こんな空間が
ゲーセンに有るのを初めて知った。
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