カタチのないセカイの為に
「後で、選べるから。」
そう言われて、安心した。
抱きしめてる写真が出てくるの、
恥ずかしいよな…。
美咲は、
抱きしめられている優潤の腕を
両手で掴みながら言う。
「まだ、取るんだよ。」
『カシャ。』
「あー。言うの遅かったかぁ。」
美咲を抱きしめたままの
ビックリ顔の優潤が完成…。
そして、美咲の目線は、
ビックリした優潤を見ている。
でも、その後は、
普通に、ピースとかしたりして写した。
プリクラが取り終わると、
今度は、落書きが始まった。
「優潤も何か描いて。」
美咲が優潤にペンを渡す。
優潤は、
何を描いていいのか分からなかった。
だから、スタンプを押し捲った。
後から、選べるはずの写真は、
美咲が、
「これ、楽しい!!」
と言いながら、
優潤のビックリ顔も、
優潤のハッとした顔も、
抱きしめている写真は、
全て消される事は無かった。
でも、
美咲が喜んでいるから、
優潤は嬉しかった。