カタチのないセカイの為に
二人のプリクラを取り終わって、
美咲が、機械から外に出る瞬間。
優潤が呼び止めた。
「待って。」
何と無く、不思議な空間のこの場所で
優潤は、もう少しだけでいいから、
ここに居たいと思った。
美咲は、振り返ると顔が少し赤かった。
そして、首を傾げて微笑した。
美咲もまた、優潤に引き止められたことが、
嬉しく感じた。
「どうしたの?」
美咲が聞くと、優潤は
「もうチョット、ここに居たい気がして。」
美咲は、同じ気持ちだった事が、
嬉しくなったりする。
でも、次に待っている人が居ると思うと、
早くここを出ないといけないと
急かせれている様な、気分もあった。
だから、この空間を惜しむように、
優潤に抱きついた。
「多分、次、人、待ってるよ。」
「そっかぁ。」
優潤は、残念そうに言った。
でも、優潤から、離れようと思ったら、
優潤の腕が邪魔をして、離れられなかった。
だから……
美咲も、もう一度、腕を優潤の背後に回した。