カタチのないセカイの為に

プリクラの列に並んでいる時に、
順番が来るには、
まだ時間が掛かりそうだったので、

健吾と理子が飲み物を買いに行った。

優潤と美咲は、並んで待っていた。



プリクラを取り終わったグループが、
優潤と美咲の横を通り過ぎる直前だった。

一人の女の子が、
優潤を見て立ち止まった。

「穂坂くん？」


美咲は、
優潤の名前を呼んでいる女の子に
真ん丸くした瞳の視線を動かした。


優潤は、佇んでいた。
「あ…。」


美咲は、室内のゲーセンで、
今までに感じた事の無い、
不思議な風を感じだ。


二人とも、何も話さない…。





美咲が、優潤を見ると


　静止している。



何故か、言葉を掛け辛い空気が、


不安な空気が流れる…



「優潤？」



優潤は、美咲の声に気付くと、

美咲に
「美咲。チョットごめん待ってて。」
と言って、


声を掛けてきた女の人と

その場を立ち去った。