カタチのないセカイの為に
今日もまた、美咲と理子は、バイトに励んでいた…。
あの人…また来ている…。
今日で、3日目だ…。
「ねぇ。理子… またあの人来てるよ。」
「ほっとけほっとけ…。気にする事ないわよ。」
「うーん。」
「それにしても、
今日はまた一段と、ビーチが賑やかな気がするんだけど…」
「そうね。多分、花火大会だからじゃない?」
「花火大会?今日だったの??
あれ?でも、今日は8月10日じゃないよね。」
「8月10日は、もう過ぎたわよ。」
理子は、カレンダーを指差した。
「8月の第2火曜日に変わったのよ。」
「えー。いつの間に…気付かなかった。」
珠子さんがフロアの何処に居ても聞こえる声で叫んだ。
「今日は、早めに切り上げるよ。
仕事が終わったら、花火大会だ!!
店の前で観るよ。予定のない人は集合だ!!」
「はい。」
スタッフが声を揃えて応えた。
美咲は、パッと理子を見た。
「花火…。残ろうよ。」
「うん」
「一応、あの人も誘う?」
美咲が、指した指の先を辿ると、
そこには優潤いた。
彼は、何かぶつぶつ言いながら100面相をしていた…。