カタチのないセカイの為に

「みーさ♪」
理子の声。

理子と健吾が戻ってきた。



理子は、美咲の顔を見ると、驚いた顔で、
「どうしたの?」
と聞いた。


「美咲?顔、赤いよ。泣いたの?」


美咲は、ゆっくり顔を横に振った。


「優は、どうした?」

健吾が、頭をポリポリ掻きながら聞く。


目に涙が、溜まっているのが分かる。

「プリクラ並んでたら、
優潤、知り合いと会って…。」




涙が落ちそうになるのを、必死で堪える。


「待ってて。言われて…。」

美咲の瞳から涙が落ちた。




理子が、背中に手を回した。

「皆で、プリクラは取るのは、
また今度にしましょ。」



「ああ。いつでも、取れるからな。」
健吾が言った言葉。



『いつでも取れるの?』

美咲の胸が、更に締め付けられた。


なんで、こんなに…

クルシイの……



 … 優潤 …… 

… 苦しいよぅ ……


< 220 / 248 >

この作品をシェア

pagetop