カタチのないセカイの為に
「みーさ♪」
理子の声。
理子と健吾が戻ってきた。
理子は、美咲の顔を見ると、驚いた顔で、
「どうしたの?」
と聞いた。
「美咲?顔、赤いよ。泣いたの?」
美咲は、ゆっくり顔を横に振った。
「優は、どうした?」
健吾が、頭をポリポリ掻きながら聞く。
目に涙が、溜まっているのが分かる。
「プリクラ並んでたら、
優潤、知り合いと会って…。」
涙が落ちそうになるのを、必死で堪える。
「待ってて。言われて…。」
美咲の瞳から涙が落ちた。
理子が、背中に手を回した。
「皆で、プリクラは取るのは、
また今度にしましょ。」
「ああ。いつでも、取れるからな。」
健吾が言った言葉。
『いつでも取れるの?』
美咲の胸が、更に締め付けられた。
なんで、こんなに…
クルシイの……
… 優潤 ……
… 苦しいよぅ ……