カタチのないセカイの為に
※第九章※ スレチガイ
美咲と、理子は、
ゲーセンムセンターを出て、
近くの公園へ移動した。
美咲は、公園の隅にあるベンチに座って、
やっと落ち着いたところだった。
健吾が、ペットボトルのジュースを持って、
公園の入り口から歩いてくる。
健吾の持っているジュースは、
ゲーセンで買った物。
理子は、美咲の隣に座って
心配そうに背中を撫でている。
木の陰が、美咲を包み込んで、
目立たなくしてくれた。
街中に佇む公園は、
何人か子供が居たが、
美咲の座っているベンチは、
孤立した静けさ。
健吾が、美咲の前に来た。
「優潤電話したら、今、来るってよ。
これ、飲めよ。」
健吾が、
美咲にペットボトルのジュースを渡す。
「ありがとう。」