カタチのないセカイの為に
暫く経つと、



公園の入り口から、

優潤が、全速力で走ってきた。


俯いていた美咲は、

息を切きらせている優潤を見て、

走ってきたのが分かった。



美咲は、優潤にも、
申し訳ない事をしたと思った。



私が、普通にプリクラに並んでいれば、

今頃、四人で、プリクラを取り終わって、

楽しいんでいて、

UFOキャッチャーとかやって、

ダブルデートして……。



並んでいれば、良かった。



並んでいれば、良かった…。




こんな事に、ならなかった。






美咲が、作り笑いを必死に浮かべた。

「ごめん。大丈夫。何でも無い。

ちゃんと並んで無くて、ごめんなさい。」

優潤は、

笑っている顔の美咲の口の端が、

プルプルして、

必死で、笑っている事に気付いた。



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