カタチのないセカイの為に
美咲のマスカラが落ちてる。


優潤は、
泣いてたんだって直ぐ分かった。


「美咲。ごめんな。

置いてって、ごめんな。

一人で並ばせてごめんな。」


ゲーセンに
女の子一人、プリクラ並ばせるって、
酷いな……

ごめんな……。





健吾の一言で、帰る事になった。

「取り敢えず、帰るか?夕飯作んないと。」

まだ、夕飯を作るには、早い時間だったから、
健吾の一言は、周囲を明るくした。


帰る途中、
美咲は、元気に振舞った。


理子も、健吾も、気まずい雰囲気を乱そうと、
明るい声で、意味不明な冗談を言ってくれた。



それが、凄く…、

凄く、申し訳なかった。




優潤は、意味不明な冗談に、

たまーーーに、暗い突込みを入れて、

後は、黙っていた。


美咲は、優潤に、

「謝らないで」

と何度言われても、



謝る事しか出来なかった。




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