カタチのないセカイの為に
優潤が、麦茶を入れる美咲に、話しかけた。

「あのさ。さっきの人なんだけど…。」


聞きたくない。

「聞きたくない。」

そう言いながらも、

「やっぱり、聞かせて」

聞きたい気持ちもあった。


心の靄が取れるなら、
聞いた方がいいから。


でも、聞かなくても、
心の中の靄は、既に掛かっている。


聞いた方が、
心のもやもやが、取れる可能性が有るから、
少しでもプラスの可能性に賭けた。






優潤が、話し出す。

「俺な。昔、あの人と付き合ってたんだよ。」

最初の一言で、聞かなきゃ良かったと、
後悔した。




『あれ?』

優潤、いつもと話し方が違う…。




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