カタチのないセカイの為に

優潤は、話を続ける。

「誰でも良かったんだよ。
誰かに、付き合って貰えたら、

その時の生活からも、自分の気持ちからも、
逃げたかったんだよ。」


美咲は、首を傾げた。

「どんな生活してたの？」


「あー。えっと、凄く言いにくいのですが、
毎晩、遊び回ってまして…。」


優潤は、遠回し、遠回しに言ってくる。




「遊び過ぎて、人生に疲れてまして…。

彼女作った方が、
マシなんではと、思ってしまいまして…。

たまたまコクられた、名前も知らなかった
あの人と、付き合ってしまいまして…。」



『へ？名前も知らない？何それ？』


最悪じゃん。

最悪じゃん。

優潤、最悪な事したんだ。


そう思うと、嫌な気分になった。

イライラする。



美咲は、怒った。


「そんな事したら、
相手の気持ちに失礼じゃない。」



「はい。
それに気付いて、別れました…。」

美咲は、額に手を当てた。



顔を、赤くしたり、凄く緊張したりする人が、

しかも、自分が好きなになった人が、

そんな事をしていたなんて、

想像がいくら豊かでも出来ない…。




しかも、『海の家』で、出会った時、
確か、ジッとしてて、変な人だった。


毎晩遊ぶような人では、
無いと思っていたのに…。


でも、申し訳なさそうに、
こんな話を正直にするとは…。


やっぱり、この正直な人が、
この人が好きだな。

そう、感じちゃうよ。