カタチのないセカイの為に

ほれた弱みって、コワイ…。


優潤が、美咲の瞳を見詰める。


何か、緊張する…。

この感覚は、
優潤しか、私にくれない。


この緊張感も、
やっぱり、好き。


「俺、美咲の事、本気だから。」

真っ直ぐ、目を見て言ってくれるところも。


「俺、別れたくないから。」

必死なところも。


「俺、ずっとずっと好きだったから。」

一生懸命なところも。


「もう、泣かせないから…。」


最低な事、聞いたけど、
もうこんなに好きだよ…。


嫌より、好きの方が強くなってるよ。




「だから、俺の事、嫌いにならないで。」

『嫌いにならないで』って、言葉の意味。
本当のお父さんが生きてた頃、言ってた。



『人はね。本当に好きな人には、
嫌われたくないんだよ。

だから、
本当に、本当に、大好きな人に嫌われるって感じた時は、必死で、願うんだよ。

せめて、嫌わないで下さい。って

きっと、嫌われてしまうっていう怖さが、

好きになれっていう欲を

出せなくなってしまうんだろうね。』って

言ってた。



優潤が、もう一度言う。
「お願いだから、嫌わないで…。」



< 231 / 248 >

この作品をシェア

pagetop