カタチのないセカイの為に
母は、
何処か可愛く言う。

「荷物が多くて…。チョット手伝って?」
いつものお母さんだった。

美咲が『はい。』と応える前に、
優潤が、
「ハイ!」と応えた。

優潤は凄く、緊張しているみたい…。


後もう少しで、
抱き合っている現場に、
入ってくるところだったからかなぁ。


私達は、手を繋いだまま、
玄関先へ向かった。

母は、タイのお土産に、
私と同じくらいの身長の

『サワディー人形』とか、
俵みたいな『三角枕』を何個か買ってくるから、荷物は、凄く多かった。



理子と、健吾も、帰って来たから、
皆で、荷物を家に入れた。

荷物を運んで、一息ついたところで、

私達、四人が付き合っていることを、
私から、話した。


そしたら、お母さんが、
「優くんに電話で聞いたわよ。」



って、言うから、ビックリだった。


彼氏が出来たら、
絶対に怒られると思っていたけど、

「優くんなら、いいわよ」
って、凄くアッサリしていた。


『いつの間に、優くんと呼ぶ仲に…?』

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