カタチのないセカイの為に
結局、優潤の何処がそんなに気に入ったのか
分からないまま、
私が選んだ人だからってきっと良いんだって、
勝手に決め付けた。
母が言った。
「優潤、理子、健吾は、
明後日まで予定通り、泊まって言ってね。」
美咲は、凄く嬉しかった。
でも、理由は、凄く単純な事からだった。
「今、家族が減るのは困る。
大量の肉を、責任もって食べてもらわないと、
冷蔵庫に物が入れられない。」
と、言っていた。
肉は、近所の人達にもお裾分けをしけど、
一向に減る兆しが見えなかった。
母は、理子達にも持って帰って欲しいとお願いしたけど…。
「みんなの家に、同じ量を送っています。」
と言う、健吾の言葉に諦めた。
仕方なく、家の門の前に
『ブランド牛、お配りしております。
お気軽にお声をお掛け下さい。』
張り紙を出した。
健吾のインパクト計画は、
一般家庭の冷蔵庫には、
凄く迷惑な物だった。