カタチのないセカイの為に
毎日毎日、毎日…。

凄く美味しいらしい、肉が、
無くなるまで食卓に並んだ。

お母さんと、優潤と、健吾は、三人で毎日料理を作ってくれた。

いつも間にか、家族のようになっていた。




「優くん。ちょっと来て。」

母の声で、私の部屋にいた優潤が
庭に出て行った。



「これ、組み立てられる?」

優潤は、それを見て、驚いた。


「これ、犬小屋ですよね?」


「そうよぅ。チョットパパの出張に
これから付いていく事が多くなりそうだから。
寂しくないように買って来たのよ。」


嬉しそうに、
『こいぬ』
を持ち上げて美咲ママが言う。



「ファンタだ。」
優潤が、呟く。


美咲ママは驚いた顔をした。
「よく覚えているわねぇ。」


「あの時、犬は全て、
ファンタだと思っていましたから…。」


「ハハハハハハハ…」
美咲ママが笑った。


優潤も吊られて笑った。


優潤が、犬小屋を組み立てていく。

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