カタチのないセカイの為に
美咲ママの問いに、
優潤は、顔を真っ赤に火照らせた。
「いや…。こんなに昔から、
俺が好きだって知られるの、
恥ずかしいというか…怖いというか…。」
美咲ママは、優潤の頭に手を置いて、
「頑張れ、優くん♪」
そう言うと、グシャグシャにした。
そう、美咲の母は、
優潤の事も、
美咲の事も、昔から知っていた。
覚えていないのは、美咲だけ……。
優潤は、両腕を空に突き上げて、
深呼吸する。
「出来ましたよぅ。
ファンタ小屋。
犬の名前は決まっているんですか?」
「美咲ちゃんに名付けてもらいましょう。」
美咲ママは、ポンポンと犬小屋を叩いた。
「ねぇ。優くん。
ファンタの名前の由来知ってる?」
優潤は、自信を持って、張り切って言った。
「美咲が好きだった、ジュースの名前!!」
優潤も、美咲ママも大笑いした。