カタチのないセカイの為に
理子も、美咲が優潤と話しが出来るようになったことが嬉しくて、微笑んだ。

それは、まるで……
美咲が必死で閉ざしていたドアに、やっと手をかざした瞬間だった。



美咲と理子はシャキシャキと働いている。

しばらくすると、
健吾がやって来た。

優潤の前に腰を掛ける。
店長の珠子さんが、2人のテーブルの前に立った。

「今日で最後だよ。美咲ちゃんも理子ちゃんも良く働いてくれたよ。本当に助かったよ。ありがとね。」
珠子は御礼を言うと、優潤はニッコリと微笑を返した。

珠子は、健吾のオーダーを取ってから、優柔の顔を見た。

「彼女達の契約は今日で終わりだから、優君も今日、出てってね。」

珠子は健吾に頼まれたオレンジジュースを取りに、奥へさがった。

「お前スゴイなぁ…。あの子を見たいためだけに珠子さんの家に下宿してたんだろう…?」
優潤はコクリと肯いた。

海の家は、珠子さんの家族と数名のバイトがいる。遠くからバイトに来る人もいるので、珠子さんの家に住みでバイトに来ている人もいるが、美咲と理子は、寝る場所を心配する必要が無かったので

紹介料として、優潤が住み込んでいた。

バイト最後の日の今日は、
優潤との契約切れの日である。

優潤は
寝る場所が無くなる…。

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