カタチのないセカイの為に
「たっだいまー!!」

理子と、健吾が帰って来た。

「それ全部やるの?」
優潤は、額に手を当てた。
それは、買出しをさせたメンバーが悪かったかのように…。

「うん。」
理子と健吾は、両手いっぱいの花火を持って立っている。

優潤の眼に美咲が映る。
嬉しそうに、花火の袋をゴソゴソと漁っていた。

「夜が楽しみだな。」
微笑した笑顔で、美咲の頭に、ポンっと手を乗せた。

「うん!!」

美咲は、笑顔で応えた。





夕方になる前

優潤にお客様が来た。

「健吾―!ちょっと来て。」

優潤に呼ばれて健吾も応接間に入る。

客人は、心配そうな顔をしている。

「本当に行くのですか?」
「はい。」
「気をつけて下さいね。」
「はい。」
「わたくしも、ご一緒に…」

「困った事があったら、電話します。
彼も、この場所には何度も来ていますし。
『あの時』のような事があっても、今は背も伸びましたし対処できます。」


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