カタチのないセカイの為に
「こっちは太陽ギラギラの暑さの中で、
必死で働いているのに、そこら辺には仲良しラブラブばカップルばっかりで、こんなにカワイイ女子高生が2人も居るっていうのに、カッコイイ男の人との出会いとかないし…

海なのに海なのに海なのにぃぃぃぃ!!

自分が何を言ってるかなんて、わかんなくもなるわよぉ!」


あー。そこら辺と『こっち』か。なるほど。

それにしても、ゴーインな言い訳……。

実演販売トーク調になったのは、どうやら暑さと『そこら辺』が悪いのね…。


暑さ位じゃへこたれない理子は、至って冷静に美咲の話を分析した。

そして、その内容を本気で言っている訳では、無い事も彼女は知っていた。


彼女が、

出会いを求めたりなんかしない事を……。

だからここに来る事が必要だった。


「でも、美咲ぃ?まだ1週間よ。お金稼がないといけないし辞める訳に行かないからね。」


「辞めるなんて、あるわけないじゃん♪
これでも、楽しんで仕事してんのよ♪
こんなに、暑くて大変とは思わなかったけど、初めてのバイトが海の家なんて、最高じゃん♪」


良かったぁ。心の中で、理子は呟いた。




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