カタチのないセカイの為に
美咲は、優潤の交友関係を不思議に思った。
海の家の珠子さんと親しかったり、
ここの状況を教えてくれた客人は、年配ではあったが『カッコイイおじさま』風だった。
「へー。そうなんだ…。」


美咲は、辺りを何度も見回して呟いた。
「何か…知ってるかも…」
優潤はドッキッとしながら微笑した。
「もう、暗いから早く行こう。」

建物の横を通り、先へ進む。

建物が、終わるところで、
優潤と健吾が、懐中電灯を周りに照らしながら、
何やら探し始めた。
「うーん。この辺りのはずなんだけど…。」

健吾が、近くにあった電柱を照らした。
「これじゃないか?」
優潤が、健吾の近くに近寄った。
「あ。これこれ!!」
優潤のポケットの中から、チャリンと音のするものを出した。
ガチャガチャと何かをしだした。





「ボァン!!!!」

辺り一面に響く大きな音と共に、
明かりが海を照らした。

海の前には、
南の島にでも来たような素敵な庭が広がる。

「うわー。スゴイ!!」
美咲は気持ちよさそうに、海の方へ走り出した。振り返ると、万遍の笑みがこぼれていた。
「早く、花火しようー。」

優潤は後を追うように、走り出した。
「まて、走るな。危ないだろう。」


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