カタチのないセカイの為に

星の多い夜空の中で


生まれたばかりの『三日月』が
顔を出していた。


忠君は、全員の姿を一番後ろから見守っていた。


「忠くーん!早くバケツバケツ!!」

花火が始まった。




翌日から、海や観光を楽しんでいた。

海では、珠子さんの様子を観たり。
日焼けをしたり。
泳いだり、水を掛け合ったり。
路面電車に乗ったり、理子お勧めのお好み焼き屋にも足を運んだ。


帰る二日前。
観光をしている時だった。


美咲は、思いっきり手を伸ばし指をさした。
「人力車発見!!乗ろ。乗ろ!!」
人力車に向かって駆け出した。
理子と健吾は、優潤の背中をポンと押した。
「チャンスだ!」


優潤が、歩き出そうとした時、
人力車の前にいる俥夫から料金を聞いていた美咲が手を上に挙げた。
「理子ー!一緒に乗ろうー!!」
美咲の一言で、優潤は足を止めカチカチのまるで石のようになった。
理子は駆け足で、優潤を通り過ぎた時に、両手を合わせた。
「ごめん。」


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