カタチのないセカイの為に

美咲と理子はカフェでお茶をしていた。
「美咲は、優潤が嫌いなの?」
理子は、解りきっていた事を聞いた。

美咲は頬杖を突いていた。

「別にー。嫌いじゃない。」
理子は、怒った美咲を久しぶりに見ていた。

「どちらかと言うと、嫌いって言うより、好きの分類に入るぅ。」

「そうよね。あんなに男の人と話してるの、無かったものね。
でも、優潤は傷ついたわよ。」

美咲は、頬にあった手を離すと、目線を下へずらし、まじめに応えた。

「解ってる。」
それは、気を落としているようだった。


「本当は、叫ぶ事じゃない事も解ってる。悪い事をしたと思う。」

美咲は、素直に応えていた。




理子は、疑問があった。
「花火した時とか、塀の下で受け止めてくれたじゃない。その時は叫ばなかったわよ
ね?」
「うん。」

しばらく沈黙が続くと、理子は話し出した。
「優潤は、信用されてないって事?」
「そうゆうのじゃなくて…。実は…。」
美咲は、話しずらそうな顔をしていた。
「去年までは、男の人と話しすら出来なかったの。話しが出来ないと言うか…、男
の人が怖かったんだ。」
「そうだったの?」
美咲は、コクリと肯いた。

理子は、びっくりした。
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