カタチのないセカイの為に

※ 3節 ※

コンビニエンスストアーの前を歩いていると、理子が足を止めた。
「お菓子買って来てもいい?」
「うん。いいよー。」
理子は、ニッコリして

「直ぐ戻ってくるわね。」
理子が早歩きでお店に入った。

美咲は、コンビニの入り口の横で理子を、待ちながら、優潤に掴まれた腕をもう一方の手で触った。

『触んないでよ!!』 は、まずかったよね。

帰ったら、謝まろう。

あの時、思わず叫んでしまったけど、何か言いたかったのかも知れないし。

普通、友達に腕を掴まれたくらいじゃ、叫ばないよね…。


旅行も、優潤がいて楽しかったって言うのも一理あるし…。


理子にも、気を使わせてしまったなぁ…。


そんな事を考えている時だった。

三人の男が、美咲に近寄ってきた。
「ねぇ。今、暇?一緒にカラオケ行かない?」





優潤は、壁に掛かっている時計と睨めっこしては、立ったり座ったりウロウロとしていた。
「チョット遅すぎないか?」


健吾は、冷静な面持ちで応えた。
「そうだなぁ。でも、少し落ち着けよ。
忠君は何してる?」

「先にお風呂入るって…。」






買い物を終え、理子がお店から出て来た。

コンビニの駐車場の隅では、いつになく勇ましい美咲の声が響き渡っている。

「ふざけんじゃないわよ。誰と誰が、何処に行くって?」
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