カタチのないセカイの為に
理子は、何故、自分の名前を知っているのかが、不思議だった。


優潤は、鋭い視線を崩さない。
「で、友達になれたんですか?」


金髪の男は、流し目で
「なれてない。
でも今から、携帯の番号を聞こうとしてたところだったんだけど…。
今日は、もうダメだな。」

金髪の男から、『悪い事をした』という反省の色が浮かぶ。


しかし、優潤は鋭い視線を彼から、離さなかった。

優潤の鋭い視線は、金髪の男にグサグサと刺さっていた。



次いで、優潤は、自分の知っている、金髪の男のプロフィールを言い始めた。

「青木光也(あおきみつや)。
藍泉学院(あいせんがくいん)高等部2年。
高等部へ外部からの入学。所属の部活なし。
見た目とは違い、何故か同学年からの人望は厚いらしいが後輩に知り合いはいない。」



理子は、眼を点にした。
「藍泉学院って…。うちの学校じゃない!!」

理子は、光也を頭の上から足のつま先まで、何度か見直した。


金髪…。


柄悪い…。



服のセンス0%…。

ついでに、口も良いとは言えない男である…。


優潤は、光也のプロフィールを言い終えると、大切そうに美咲を抱きかかえて、立ち上がった。

「理子、行くよ。」


理子が歩き出すと、光也に一度だけ振り返った。

「友達なら、いいですよ。
でも…
私に、話しかけないで下さい。」
と告げた。


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