カタチのないセカイの為に
「ああ。わかった。」


優潤は、健吾が持ってきた新しいTシャツを着ると、美咲の寝顔を観てタオルケットを掛け直した。

ベッドの前で、あぐらを掻き頬杖をつくと、もう一方の手で、頭を撫で始めた。


優潤は、先輩達に絡まれた時の美咲を思い出した。

倒れるくらい一生懸命に
虚勢張ってたのか?

いつも、男に怒るのも弱い部分を隠しているのかも知れない。


あれ?
何かに気付いたように、頭を撫でていた、優潤の手が止まった。

怒っているのは、嫌いとかじゃなく、恐いのかも知れない。


「嫌がることして、悪かった。
ごめんな…。」
と呟いた。


『眠っている時は、怒らないのにな…。』


そして、何度か美咲の頭を撫でると、部屋を出て行った。





優潤が晩ご飯を食べる為に、
部屋に入ると理子が声を掛けた。
「美咲どう?起きた?」

「いや。ぐっすり寝てる。
起きたら、お腹空いていると思うから、
俺、後でタマゴサンド作るから、美咲に持って行ってくれない?」

「わかったわ。」
理子は微笑した。
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