カタチのないセカイの為に
「何度もダメって言っているでしょ!」

「なんでぇー。だって、もぅプランも決まってるんだよ。」
美咲は、ゴネル・・・・。

「何言ってんのよ。まだ高校生でしょ。
いくら、別荘だからって高校生2人は危ないでしょ。」

『中学の時は、高校生になったらね。』って言っていたくせにぃ!と思ったが、母は言葉に入る隙を与えないかのように話し続けた。

「それに、誰がお金払うのよ。

ここの書いてある…

『タクシーで移動』のタクシー代、『寺観光』の拝観料、『花火大会』の花火代、『人力車ツアー』の人力車代、
『路面電車』の電車代・・・・?」

母は、費用の掛かる部分を細かく指してきたが、路面電車でどうやら引っ掛かる事が有るらしく、言葉を止めた。

「ん・・・? 大体なんで、路面電車に乗った後に、出発駅の近くにあるお好み焼き屋さんにタクシーで戻るのよ。」

まるで、馬鹿じゃないの?と言いたいかのような顔をしているが、
『理子』と一緒に考えた事も有り、言えないらしい。
 
美咲だけで考えたプランなら、確実に貶されている。


そして、タクシーで戻る説明をした。

「理子が、どうしても行きたい、お好み焼き屋さんが、在るんだって。」

母が、声を大にして、言い放った。

「だったら、もう一度電車に乗って戻りなさい!!」

返ってきた声の大きさにびっくりした。


『時間の関係があるからです!!』と、言い返したかったが、今回は大声で心の中で叫んだ。


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