カタチのないセカイの為に
優潤が席に着くと、お腹を空かせた二人が声をあげた。


「いっただっきまーす!!」

優潤は、待っていました!と言わんばかりの掛け声に、二人を観て笑った。
優潤は、この友達がいて本当に良かったと思っていた。

「俺もさぁ。
2人がいなかったら、青木先輩みたいに、適当に友達に頼んで、相手のことも考えずに同じように怖がらせたりしていたかもしんないな…。ありがとな。」
呟くように、声を出した。


健吾は箸を置いた。

「お前さぁ。
友達選びは、上出来だと思うぞ。」
健吾は、優潤の頭をグシャグシャして笑った。


理子も笑っていた。

「友達に感謝しなさいよ。それより、まだ喧嘩っぽくなったままでしょ。どうするのよ。」

優潤は、現状を思い出して、頭を抱えた。
「あー。
本当は、今日、謝りたかったんだけど…。
寝ちゃってるし、起きたときに男が部屋にいたらまた喚くだろうから、明日ちゃんと謝るよ。」


理子は、首を横に振った。

「善は急げよ。
明日の朝食から、妙な雰囲気は感じたくないわ。後で、美咲が起きたら、呼びに行くから
今晩中に何とかしてちょうだい。
それに…。
明後日は、もう帰る日だから、明日は何か進展が欲しいわ。」


付け加えられた理子の言葉で、優潤は呆気にとられた。

まさか、こんなにもハッキリと言われると思っても見なかった。

「あ…はい。」
優潤は、こめかみを指で押さえた。


進展かぁ…。
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