カタチのないセカイの為に
美咲が、眼を開けた。
あれ?ここは?
美咲は、飛び上がるように状態を起こした。
いつも見ている景色が広がっている。
理子の別荘? あれ?
窓の外は暗い。
今、いったい何時だろう?
『トン・トン…』
「美咲?入るわよ。」
「はい。」
理子が部屋に入ってきた。
手には、タマゴサンドを持っている。
「起きてたの?」
「今、起きたところ。」
理子は、タマゴサンドをベッドの横のサイドテーブルに置いた。
「ごめんね。ご飯、食べ終わっちゃったから…。
起きたらお腹空くと思って。
これ、優潤が作ってくれたのよ。
起きたばかりでも、食べれる?」
美咲は、寝起きで多少ボケボケしている。
「うん…。ありがと…。あの…。」
理子は、ベッドに座り向かい合うように身体を少しひねって、手はベッドの上に乗せた。
ポケーッとしながら、美咲が観ている。
「ん。なに?」
美咲は、ポケーッとしながら応えた。
「今、何時?」
「今? 11時よ。よく寝た?」
「うん。」
理子は、微笑を浮かべると目をこすった。
何日も、観光や海へとあちこち回っているからか、理子の眠そうな様子は直ぐに読み取る事が出来た。