カタチのないセカイの為に
美咲から溢れている涙からは、
美咲のもがいていた悲しみが、伝わってくるようでもあった。


優潤は、泣いている美咲を抱きかかえると、
先ほど腰に当てた手で、美咲の頭を撫でていた。

美咲は、優潤の胸の中で、呼吸を正そうとしても上手くいかずに『ヒク…ヒック…』しながら

ギュッと優潤の胸元にあるシャツを握り締めた。


「あり が とう …。」


優潤は、美咲の頭を何度も何度も
撫でながら、

「大丈夫だよ。大丈夫だよ。」

と風のような声で囁いていた。




しばらくすると、
美咲は、泣きつかれたのか
優潤の胸の中で無防備に眠っていた。


美咲の頭を撫でていた手を腰に戻した。


美咲の着ていたシャツが少し捲れて、
優潤の手は美咲の肌に触れていた。

優潤は、躊躇する事も無く、

するりとシャツの中に手を入れて、
背骨を、背中の真ん中の辺りまで辿った。



ブラのホックがあるのが、感触でわかる。


優潤は、それを掴むと、手を止めた。


優潤は、『ふぅ。』と溜息をついて

シャツの中から手を出して、
捲れているシャツをきちんと戻すと、



美咲を、ベッドと平行に動かした。




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