カタチのないセカイの為に
──翌日──

美咲は、おぼろげに瞼を半分開けたかと思うと直ぐに閉じられた。

「スー…。スー…。」
寝息が聞こえる。


『重いなぁ…。』

美咲は『眠っている』と『起きている』の中間にあった。

美咲が、ゆっくりと瞼を半分まで開いた。

朝の日差しが差し込んでいるのだろう。外が明るいのがわかる。


『朝?あれ?』

美咲は、一気に瞼を開いた。


『何かが居る。』


優潤は、覆い被さるように仰向けに寝ている美咲に絡みついている。



美咲は、絶叫した。
「ギャーーーーーーーー!!!!!!」

その声は、別荘の隅々まで響き渡った。





寝ていた理子がおぼろげに眼を開く。

しかし、まだ寝ぼけている。
「何?美咲??」


声を合図に
別室で寝ていた健吾も目を覚ました。


歯を磨いていた忠君も、
『ん?何の音だ?』
音をキャッチした。
すかさず歯を磨いたまま、理子の部屋へ、様子を伺いにダッシュで走り出した。


朝食の準備をしていた管理人夫婦は
「若者は、元気ですね。」
「そうですね。」
と、ニッコリしながら、悠長な会話をしている。



疲れきっていたのか、それとも死んでいるのか、優潤だけが未だ眼を開かない。
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