カタチのないセカイの為に

そして…。
ねぼけまなこの目をこする

『不思議な生態』…。


何故か、気分はサッパリしていた。

それは昨晩、思いっきり泣いたからか、はたまた先刻の絶叫のおかげなのだろうか。


そんな事はどちらでも良かった。

ただ、後ろに居る『不思議な生態』のおかげである事は確かだった。


しかし、ピットリとくっついて眠っていた事を考えると、素直に感謝は出来なかった。

優潤は、眼が覚めるともう一度さわやかな笑顔で
「おはよう。」
と告げた。




美咲は、ベッドの上をパンパンと叩くと、
「ここに正座しなさい。」
蒼白した顔で肩頬を引きつらせながら、言葉を発した。


起きたばかりの優潤は、訳も分からず言われるままにベッドの上に正座をした。

『ん?なんだろう?』

美咲も、ベッドに下げていた足を引っ張るように動かし正座をした。



「なんで、ここで寝ているの?」


優潤は、やっと頭の中を動かした。
「えっと…。
昨日、シャツを握ったまま眠っていたので…。
なかなか脱げず…。」


美咲の蒼白の顔は、真っ青に染まった。


優潤のシャツは、両手で握り締めていた跡が、残るように、伸びかけていた。




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