カタチのないセカイの為に

※第四章※ リコノ キオク

四人は、午前中は海水浴をして、
珠子さんに、明日帰ることの報告をした。

珠子さんは、
「バイト、ありがとね。
まだ若いんだから、青春を楽しみなぁ～。」
頓珍漢な事を言っていた。

青春といっても、高校生が青春時代を送っているなんて、当の本人達は気付かない物である。

午後は、お土産を買いに出掛けた。

４人は、お土産を買いに行く車の中に居た。



美咲は、ポケーとした顔で、車の外を眺めていた。


昨日の夜のことが美咲の頭の中を過ぎる。


美味しかったタマゴサンドも、優潤が撫でてくれた頭も、泣いてしまったことも、
何度も何度も頭の中はグルグルと鮮明に回っていた。


理子たちは、お土産の話をしていた。

「美咲はどうする？」

「美咲？」

「美咲ちゃーん？」

「おーい。聞こえてる？」

やっと理子の呼び掛けに気付く美咲。
「あ。ごめん。　なに？」


理子は、チョットだけ繭を寄せていた。
「だーかーらー。おみやげ…。
お土産、何にする？」


美咲は、少し慌てて応えた。
「家帰っても、誰も居ないから。
でも、サブレーなら、日持ちするかなぁ？」

「いいわね。私もサブレーにするわ。二人は何にするの？」