カタチのないセカイの為に
美咲がサラッと応えた全く関係の無い言葉に、理子はチョットだけ反応したが、美咲は、全く気付きもしなかった。


理子は、その言葉には応えずに、話を続けた。

「お母さんの心配は、大丈夫じゃない?
忠君には、ずっと付きまとわれる事になるし、
別荘には管理人夫婦も居るわよ。」

「そうなの?」

「勿論だよ。私を一人で旅行に出すわけ無いじゃない。」

「さすが、お嬢様。」

「そんな事ないわよ。この学校には、沢山居るわ。」


「確かに…。」

美咲は小声で呟いた。

この学校には、お金持ちの御曹司やご令嬢が4分の3を占めている。


理子は、次の問題を考えている。

「後は…費用ね。」


理子は、思いついたかのように
『はっ!』とした顔になったかと思うと、
いつもの整った綺麗な顔に戻り、笑顔で言った。

「バイトして、貯めればいんじゃない??」


美咲は、バイトをする必要も無い理子を恨めしそうな不安そうな顔で呟く。

「初めてのバイトね。。」

理子はコクリと頷いた。

「頑張るしかないわよ。これで提示している問題は解決だし、きっと旅行に行けるよ。

バイトの紹介は別荘の管理人に紹介してくれるようにお願いしてみるね。バイトをしている日の所在も確かだし、心配事は減るんじゃない?」



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